はじめに:「3AB・・・これで本当に妊娠できるの?」
体外受精で胚移植をする前、私たちが強く感じていたのは、「胚のグレード」に対する不安でした。
凍結できる胚があったこと自体は本当に嬉しかったです。でも、その中で移植することになった胚のグレードは3ABだったんです。
調べてみると、「3ABの妊娠率はおよそ40%程度」と書かれていて・・・。決して低くはないけれど、「絶対いける!」という自信にはなかなか繋がらなかったです。
「これを移植しても、ダメなんじゃないか」
「陰性だったらどうしよう」
そんなふうに、移植の直前まで不安な気持ちで頭がいっぱいでした。
アシステッドハッチング(AHA)とは?
そんな不安を抱えていた時に、医師から提案されたのが、「アシステッドハッチング(AHA)」というオプションでした。
医師の説明では、アシステッドハッチングとは
胚を包んでいる“透明帯”という膜に、レーザーで穴を開けることで、胚がその膜から脱出しやすくなるように手助けする技術
と説明を受けました。
胚が着床するためには、この膜を自力で破って脱出する必要があるのですが、その「殻破り」をサポートするのが、この技術なのだそうです。
「保険適用で3,000円」と言われて
私たちの場合、ちょうどその前の1回目の移植が陰性だったため、2回目となる今回の移植では、アシステッドハッチングが保険適用(3,000円)になるとクリニックから提案されました。
「3,000円で妊娠の確率が少しでも上がるなら・・・」
「できることがあるならやってみよう」
そんな気持ちで、私たちは迷わず試してみることにしました。
アシステッドハッチングで3ABから5ABへ
そして、アシステッドハッチングを行った結果、なんと、グレード3ABだった胚が5ABに変わりました。そして、「これなら妊娠できるかも」と胚を信じて移植に臨むことができました。
その後、実際にその胚を移植した結果、妊娠することができました。残念ながら、その妊娠は、染色体異常が原因で流産という結果になってしまいましたが、移植の前に“これなら大丈夫かも”と思えたことが、とても大きかったです。
正直、「アシステッドハッチングをしたから妊娠した」とは言い切れません。その意味や効果については、医師やクリニックによっても見解が分かれるところだと思います。
でも、私たちにとっては
・たった3,000円の保険適用でできたこと
・少しでも前向きな気持ちで移植に臨めたこと
・結果的に、妊娠できたこと
これらを振り返った時に、「やって良かった」と心から思っています。もし、次回も保険適用でできるなら、またやってみたいです。
まとめ:不安の中で選んだアシステッドハッチング。やって良かったと思える理由。
私たちは、アシステッドハッチング(AHA)を取り入れたことで、3ABだった胚が5ABに変わり、実際に妊娠することができました。
もちろん、「アシステッドハッチングをしたから妊娠した」とは断言できません。ですが、胚を信じて前向きな気持ちで移植に挑めたことは、私にとってとても大きな意味がありました。
移植前は、どうしても「このグレードで大丈夫かな」「移植前にこんなことしたらダメかな」「できるだけ着床できるようにできることはないかな」と不安でいっぱいに。スマホでずっと情報収集をして、余計、不安が強くなることも多いです。
そんな中で、「今回はこれをやったから大丈夫かも」と思える材料がひとつでもあることは、精神的な安心感に繋がりました。
しかも、今回は保険適用で3,000円でできました。もし、これが自費で高額だったら、正直、やっていなかったです。
今この記事を読んでくださっている方の中には、アシステッドハッチングをやるかどうかで悩んでいる方もいるかもしれません。私自身も同じように迷いました。「オプションをつければ安心感はあるけれど、その分お金もかかる」という葛藤は常にあります。
だからこそ、私たちは「保険適用の中でできることはやってみよう」というスタンスで治療を進めています。治療のゴールも「体外受精は保険適用の6回まで」と決めています。
オプションの選択に正解はありません。でも、もし同じように迷っている方がいれば、“保険適用でできるならやってみる”という考えもあるよ、ということが少しでも参考になれば嬉しいです。
以上、みにぼぼでした。