体外受精には高額な費用がかかるというイメージを持つ人が多く、治療が進むにつれて「これって全部必要なの?」「この先いくらかかるのかな?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
【前回の記事】では、高額療養費制度や保険適用について触れましたが、それらを理解することは不安を減らす第一歩です。
とはいえ、それだけではまだモヤモヤが残るという方もいると思います。
そこで今回は、そのような不安を少しでも軽くするために、私が実際に体外受精を進める中で工夫した、治療・サプリ・オプションの「選び方」についてご紹介します。
どんな選択肢を選ぶかではなく、「どうやって決めたか」に悩んでいる方の、ヒントになれば嬉しいです。
【目次】
①サプリは“目的”で選ぶ
②オプション治療は“目的”を見極めて選ぶ
③治療の回数を決めておく
④クレジットカードとポイントの活用
①サプリは“目的”で選ぶ
妊活中に飲むサプリメント(以下、サプリ)は本当にたくさんの種類があってどれを選べばいいのか迷いますよね。
「赤ちゃんのために、できるだけ体に良さそうなものを選びたい」
「妊娠しやすくなりそうだから、色々な成分が入っているほうがいいかも」
そう考える気持ち、すごくよくわかります。
特に、妊活期間が長くなってくると「ここまでやったんだから妊娠してくれるはず」と願掛けのような気持ちも入り、つい高価なサプリを選んでしまうこともあるかもしれません。
でも、私は「そもそも何のためにサプリを飲むのか」という目的を考えた上で、サプリを選んでいます。
妊活中にサプリを飲むいちばんの理由は、赤ちゃんの先天性の神経管閉鎖障害を予防するための「葉酸」を必要な量摂取すること。
だから、私は「必要な量の葉酸がきちんと含まれているもの」を選ぶようにしています。
そういったサプリは、実はドラッグストアでも60日分1000円程度で手に入ります。
広告でよく見るサプリは、30日分で4000〜5000円するものもありますが、それを飲んだからといって、妊娠が確約されているわけではありません。
妊活が長期戦となることを考えた時に、「なんとなくよさそうなもの」で選ぶのではなく、目的に合ったものを無理なく続けることが大切だと思います。
なお、私が実際に使っているサプリや選ぶときに大切にしたポイントについては、別の記事で詳しくご紹介する予定です。そちらもぜひご覧ください。
②オプション治療は夫婦で話し合って必要なものを選ぶ
体外受精では、クリニックから様々なオプション治療を提案されることがあります。
例えば、「シート法」「着床前診断」「タイムラプス培養」「ヒアルロン酸培養液」などです。
妊娠を望む気持ちが強いと「できることは全部やってみたい」と思うのも自然なこと。
実際に、医師から提案されたオプションを「妊娠しやすくなるならやろう」と受け入れる方も多いと思います。
でも、オプションを追加したからといって、必ず妊娠につながるわけではありません。
私自身、体外受精で、妊娠と流産を2回ずつ経験しています。
1回目の体外受精では、保険適用外になるためオプションは付けませんでしたが妊娠しました。
その後、流産を経験して、もう一度体外受精を行いました。
2回目は、流産の経験により一部のオプションが保険適用となったため、保険適用の範囲でオプションを付けましたが妊娠しませんでした。
こうした経験からもわかるように、オプションをつけたから成功する、つけなかったから失敗する、という単純な話ではないと実感しています。
もちろん、自費でオプションをつけることで「やれることは全部やった」と思えて、後悔が減ることはあるかもしれません。
でも、治療費は無限に用意できるわけではないですし、自費のオプションは1つ加えるだけでも数万円かかることもあります。
しかも、自費分は高額療養費制度の対象外なので、その分支払いが増え、家計を圧迫します。
だからこそ私たちは、「保険適用の範囲でできるだけのことをする」と夫婦で話し合って線引きをしています。
体外受精自体も、私たちは保険適用内の6回で終了するつもりですし、
オプションについても、医師から提案された保険適用内のものだけを選ぶと決めています。
私たちが「保険適用内であればやれることはやる」と決めている理由は2つあります。
1つ目は、「体外受精は、採卵や移植だけで高額療養費制度の上限までいくことが多くて、保険適用のオプションであれば、どれだけつけても支払う金額は変わらないから」です。
2つ目は、「保険適用の治療は、国で『効果がある』と認められているため、期待大だから」です。
「できることは全部やってみたい」「今知っている情報を全て試したい」という気持ちもわかりますが、なんとなくの“願掛け”のような感覚で治療を進めるのではなく、自分たちにとって本当に必要な治療は何か、どこまでやるかを夫婦で話し合って選ぶことが大切です。
“なんとなく”ではなく自分たちで話し合った上で決めた治療は、きっと後悔ないものになるでしょう。
③治療の回数を決めておく
先ほどオプション治療についても「必要なものを見極めて選ぶ」と書きましたが、
不妊治療全体についても「いつまで治療を続けるか」を夫婦で話し合っておくことが大切です。
不妊治療、特に体外受精には「お金がかかる」という漠然とした不安を持つ人も多いと思いますが、実際には高額療養費制度があるため、1ヶ月あたりの自己負担額には上限があります(※自費治療を除く)。
だからこそ、「保険適用の6回までやる」や「今凍結している胚盤胞を移植して終わりにする」など、治療の上限回数をあらかじめ夫婦で話し合っておくことで、かかる金額も見通ししやすくなり、漠然とした“お金が足りないかも”という不安を減らすことができます。
もちろん、治療は思い通りには進まないので、その都度、状況に応じて話し合い直すことも大切です。
でも、あらかじめ「ここまで頑張ろう」「このくらいの費用までなら大丈夫」と大まかなゴールを共有しておくことで、心が軽くなると思います。
④クレジットカードとポイントの活用
不妊治療は1回あたりの支払額が大きくなりがちなので、ポイント還元率の高いクレジットカードを活用するのがとてもオススメです。
私たちの場合は、夫婦で使える家族カードを作って、夫の診察も私の診察も同じカードで支払っています。
そうすることで、ポイントが貯まりやすく、貯まったポイントをサプリの購入や電車代など、日々の妊活に必要な支出に充てられるので助かっています。
1ヶ月で何万円とかかる治療費だからこそ、還元率の高いカードを選んで「少しでも戻ってくる仕組みを作る」のは、地味だけどとても有効的な節約術だと思います。
まとめ:自分たちの“正解”を見つけるために
この記事では、体外受精にかかる費用を抑えるための、治療・サプリ・オプションの「選び方」について、実際に私たち夫婦がどう考え、どう選んできたかという「考えの軸」をご紹介しました。
今回はあえて、具体的なサプリの名前やオプションの詳細については触れていません。
それは、私の正解が、みなさんにとっての正解とは限らないと思っているからです。
不妊治療の状況や考えは人それぞれ。
「これが正しい」「これはやるべき」と一概に言うことはできません。
だからこそ、「なにを選ぶか」というよりも「どう選ぶか」についてお伝えしてきました。
「治療にかかるお金がなんとなく不安」
「何が正解か分からないまま前に進めていない」
そう不安になっている人は、おそらく、自分たちの軸、大切にしたいことがあやふやになっていると思います。
今回の記事を読んで、夫婦で考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
なお、実際に私が使っているサプリや、選んだオプションについては、別の記事で詳しくご紹介する予定です。
そちらも、よかったら読んでみてください。
以上、みにぼぼでした。
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