「いつまで続ければいいの?」とふと思ったあの日
不妊治療って、終わりが見えなくて苦しくなることありませんか?
実際、私たち夫婦もそうでした。
そもそも、妊活を始めた時は、不妊治療に進むなんて思ってもいませんでした。自己流タイミングを3周期やってみ妊娠せず、「できるだけ早く妊娠したい」と考えていた私たちは、不妊治療クリニックで検査をすることにしました。その結果、重度の男性不妊と診断され、「体外受精をしても妊娠できるかわかりません」と医師から言われたんです。その瞬間、「じゃあやるしかない」と迷わず、体外受精を選びました。
正直、その時は“終わり”なんて全く考えていませんでした。「やってみるしかない」っていう気持ちだけで進んでいました。
でも、治療を続けていくうちに、ある日ふと思ったんです。
「これ、いつまで続けるんだろう」って。
ゴールが見えないまま続く治療のしんどさ
「体外受精でも妊娠できるかわからない」と言われて始めた治療でしたが、心のどこかで「続けていれば授かれるかもしれない」と希望を持っていました。だからこそ、治療中は神経を張り詰めていたんです。
「今回は確実に妊娠していない」とわかっている時は、むしろ気持ちが楽でした。
それに比べて、胚移植を終えた後は「もしかしたら妊娠しているかもしれない」と小さな希望が浮かぶたびに、そわそわして落ち着かなくなり、身体の変化にも敏感になったりして、気持ちもどんどん疲れていきました。
さらに、治療による身体的な負担も重なって、「この状態がいつまで続くんだろう」と感じるようになったんです。
「どこかで“終わり”を決めておかないと、私は頑張りきれないかもしれない」って。
私が「保険適用の6回まで」と決めた2つの理由
そう考えた時に、自然と浮かんできたのが「保険適用の6回までを目安にする」という選択でした。私がそう思った理由は、大きく分けて2つあります。
1、区切りがあると頑張れるから
「とりあえず頑張ってください」と言われても、正直、気持ちがもたない。どこまで頑張ればいいのかわからないと、途中で心が折れそうになるんですよね。
でも、「あと〇時間」とか「あと〇個」とか、具体的な区切りがあると人は頑張れる。「いずれ終わりは来る」と思えたら、そこまでは踏ん張れる。筋トレやダイエットもそうですよね。具体的な目標があると、それを目指して力を出せます。私もまさにそうでした。
「妊娠・出産」をゴールにしてしまうと、それがいつ叶うのかわからないし、そもそも叶わないかもしれない。けれど、「あと〇回」って決めていれば、終わりを具体的に想像できて、「あと何回なら頑張り切れるかもしれない」と気持ちを立て直せました。
2、保険制度への信頼があったから
保険適用になる治療って、たくさんの研究やデータの蓄積があって、国が「これは有効」と認めたものですよね。だから、体外受精の保険適用が6回と決まっていることも、何かしらの根拠があるはずだと思ったんです。
実際、私も「6回で終わってしまっていいのかな?」と悩んだことがあります。でも、もし保険の6回を超えても妊娠率が大きく上がらないとしたら、それ以上無理をして続けても意味はあるのかな?って思ったんです。
また、「あと1回やったら妊娠できるかも」って期待してしまうことも想像できましたが、「国が示した“6回”という回数はちゃんと意味がある」と思えたことで、心の中で納得することができました。
夫が「保険適用まで」と思っていた理由
一方で、夫が考えていたのは金銭的なこと。
今は保険適用で治療を進めているので、高額療養制度も使えば月に8万円ほど。自費の治療があっても月10〜12万円には収まっています。でも、これが全て自費になると、この3倍以上かかる可能性があります。
そうなると、生活そのものが圧迫されてしまう。夫は「自分たちの生活を犠牲にしてまで治療を続けるのは違う」と考えていました。
子どもがいたら嬉しいけれど、まずは自分たちが幸せに暮らせることが大前提。その上で、授かる命だからこそ、大切にできるという想いがあったようです。
話し合ったわけではないけれど、自然と見えていたゴール
このように、それぞれ理由は違っていても、私たちは自然と同じゴールに辿り着いていたんです。
ある時、ふと私が「治療は6回で終わりにしようかなと思ってる」と伝えたら、「実は俺も同じこと考えてた」って夫も言ってくれて。
その時、心の中で思っていたことに対して「やっぱりこれで良かったんだな」って安心できました。お互いの考えを聞くことで、自分の考えが、より強く固まった気がしました。
おわりに
妊活や不妊治療に「正解」はありません。
何回やるのかどこまでやるのか
それは、自分たちで納得できるところを見つけていくしかありません。
私たちにとっては「保険適用の6回まで」が、前向きに頑張れる、納得できるゴールでした。このゴールは、ある日突然決めたものではなくて、治療に向き合う日々の中で、少しずつ気持ちが固まり、自然とたどり着いたものでした。
治療を始めるなら、どこかでゴールを決めたほうがいいかもしれません。けれど、最初からきっちり決めておく必要はないと思います。今はまだ決められなくても、治療に向き合う中で、ご夫婦で少しずつ話し合っていけばきっと大丈夫。時には、考えすぎずに流れに身を任せる、そんな柔軟さも大事なのかもしれません。
この話が、今治療と向き合っている誰かの心に、少しでもそっと寄り添えたら嬉しいです。
以上、みにぼぼでした。
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