「採卵は痛い」というイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか。
私も初めて採卵にチャレンジする時に、
ネットやSNSで「痛かった」「つらかった」という声をたくさん目にして、
不安な気持ちになりました。
でも実際には、静脈麻酔で行った採卵中の痛みはゼロ。
「あれ?意外と大丈夫だったかも」と思ったのですが、
本当につらかったのは、家に帰ってからでした。
今回は、採卵後に卵巣が6cm腫れて、
2週間にわたって痛みやお腹の張りに悩まされた体験を記事にしました。
採卵後の症状がどんなふうに出たのか、
どうやって仕事と両立したのか、
そして2回目の採卵はどうだったのかーー。
私の経験を通して、これから採卵を受ける方に知っておいてほしい注意点もお伝えします。
ぜひ、最後までご覧ください。
採卵って痛いの?一番つらかったのは「採卵後」でした
私が初めて採卵を受ける時、「長い針を刺す」と聞いていたので、かなり緊張していました。
でも実際は、静脈麻酔で眠っている間に採卵が終わっていて、痛みは全くありませんでした。
「思ったより楽だった」とホッとしたのも束の間…。
3時間後から、お腹の張りと痛みに苦しめられました。
採卵後3時間に体に異変が…2つの症状に苦しんだ2週間
お腹の張り(風船がお腹の中で膨らんでいるような息苦しさ)
採卵を行う周期では、生理が始まって3日目頃からホルモン治療が始まります。
卵巣をどれくらい刺激するかによって、使用する薬の種類や量が変わってきますが、
私の場合は、できるだけ多くの卵子を採る「高刺激法」を選びました。
その影響もあってか、採卵前からすでに軽いお腹の張りを感じていました。
とはいえ、「そういえば少し張ってるかも」という程度で、
そこまで気になるものではありませんでした。
採卵後は、クリニックのベットで2時間ほど安静にしてから帰宅。
安静時は特に痛みもなく、「なんだ、何ともなかったじゃん」と安心していました。
ところが、自宅に帰る頃になってから、
お腹の中の風船が膨らんでいるような息苦しさを感じるようになったのです。
この感覚は日が経っても続き、
採卵から2週間ほど、常に息苦しさとお腹の圧迫感に悩まされました。
また、お腹自体もぽっこりと出てしまい、普段履いていたズボンがキツく感じました。
私は、ゴムのズボンを履いたり、
ジーンズのボタンやチャックを外したまま、長めのトップスで誤魔化すなどして、
なんとかやり過ごしていました。
歩くたびにズンズン響く下腹部の痛み
もうひとつ、採卵後に私を悩ませたのが下腹部にズンズンと響くような鈍痛でした。
採卵によってお腹が張っていたのですが、
その時期は歩くたびに、下から突き上げられるような感覚がありました。
ちょっとした移動でも「うっ」とため息が出てしまうほどで、
何気ない動作がしんどく感じる日々が続きました。
痛みの種類は、ピキッとした神経痛のような鋭い痛みではなく、あくまで鈍痛。
でも、お腹の張りと重なることで、その鈍い痛みが何倍にも感じられました。
この下腹部の鈍痛は、お腹の張りが落ち着くまで続きました。
「ただ歩くだけでもしんどい」という日々は、身体的にも精神的にもつらかったです。
仕事との両立はどうだった?私の場合
ちょうど運よく、採卵後はデスクワーク中心の業務でした。
座っているだけなら痛みは感じなかったので、本当に助かりました。
でも、書類を取りに行く・同僚に声をかけに行く
ーーそんなちょっとした動作だけでも、下腹部に鈍い痛みは感じていました。
お腹の張りと鈍痛がある状態では、
走ることはもちろん、立ちっぱなしや力仕事も難しいと思います。
体は動かせても「普通に仕事ができる状態」とは言いづらい。そんな状況でした。
診察で「6cmに腫れてます」と言われた時の衝撃
採卵では「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」という、卵巣を刺激することで卵巣が腫れたり、腹水が溜まってしまったりする合併症が起こる可能性があると聞いていました。
私自身、お腹の張りや痛みを感じていたものの、
「これくらいなら大丈夫か」と思って、受診はせずに様子を見ていました。
そして、採卵から1週間後。
次の通院で医師に卵巣の様子を確認してもらった時に、
「卵巣が6cmに腫れていますね」「腹水も少しあるね」と言われました。
特に処置をすることはなく、「仕事でもできるだけゆっくり動いて」と助言を受け、
経過観察で自然に回復しました。
ただ、症状がひどい場合は、入院が必要になることもあり、
最悪の場合は、腫れた卵巣が捻じれて壊死を起こし、
卵巣を摘出しなければならないケースもあるそうです。
あの時、たまたま何も起こらなかったから良かったものの、
無理に動いたり、痛みを放置していたらと思うと、今でもゾッとします。
でも、2回目は何もなかった!体質?病院?治療法?
1回目の採卵の後、実はもう1回、採卵を経験しています。
でも、2回目は全く腫れず、痛みもゼロでした。
病院は違いましたが、使っていた薬は1回目とほぼ同じだったので、とても驚きました。
薬の量が多少違ったからか、先生との相性なのか、仕事を辞めたからか…。
原因は分かりません。
もしかすると、1回目はたまたま運が悪かっただけなのかもしれません。
ただ、1回目の症状が強く出たからといって、2・3回目も同じようになるとは限らない。
逆に、今まで何もなかったのに、急に症状が出る場合もあることを思い知らされました。
これから採卵をする人へ|私から伝えたい3つのこと
私の経験から、これから採卵をする方にぜひ伝えたいことがあります。
採卵当日は、できればお休みを取ろう
採卵当日は、体調の変化が読めません。
午前中に採卵をして、午後から出社する方もいるようですが、
「午前中休んだ分、午後は働かなきゃ」と無理をしてしまう方も多いのではないでしょうか。
私自身、なるべく仕事は休まずに妊活を続けていたタイプですが、
今振り返ると、1回目の採卵当日はとても出勤できる状態ではなかったなと思います。
人によっては、採卵後数日経っても体調がすぐれないというケースもあります。
だからこそ、せめて当日だけでも丸1日お休みをとっておくと安心だと思います。
麻酔の種類、選べるなら静脈麻酔がおすすめ
「午後から出社したいから」と安静時間が短い局所麻酔を選ぶ方もいると聞きますが、
実際は強い痛みで大変だったという声も少なくありません。
また、局所麻酔は意識がある中で採卵をするため、
「怖かった」「途中で動けずつらかった」と感じる方も多いようです。
私は、静脈麻酔で、眠っている間に採卵をしてもらいました。
痛みを感じず、恐怖心もなく終えられて、本当に助かりました。
もちろん、静脈麻酔にもリスクはありますが、
私自身は身体的にも精神的にも静脈麻酔の方が楽だと思います。
もし選べるなら、静脈麻酔を検討するのもひとつの安心材料になると思います。
痛みや張りが続くなら、早めに病院へ連絡を
「これくらいなら我慢できるかも」は危険です。
重大な合併症のリスクがあるので、
少しでも「おや?」と思ったら、早めに診察を受けましょう。
まとめ
私は静脈麻酔を選んだおかげで、心配していた採卵中の痛みはゼロでした。
でもその後、卵巣が腫れて、お腹の張りや痛みに苦しむことになりました。
採卵前は、どうしても「採卵中の痛み」にばかり目が行きがちだけど、
実は終わった後の体調の変化こそ、気をつけるべきだったなと思います。
これから採卵を受ける方には、
静脈麻酔で痛みや恐怖のない処置を選ぶこと、
採卵後の仕事は無理せずセーブして、身体の回復を優先することをおすすめします。
この体験が、少しでも参考になれば嬉しいです。
以上、みにぼぼでした🙈