妊活で一番しんどいことは何かと聞かれたら、
私は迷わず「ゴールが見えない霧の中を走り続けなきゃいけないこと」と答える。
受験や就活は、
あと何ヶ月頑張ればいい、
あと何点取ればいい、
こんな経験があったら就活が有利になる……
そういうことが明確だった。
先輩の話やネットの情報も溢れていたし、
友達だけではなく、塾やセミナーなど、
同じ目標に向かって頑張る人たちに常に囲まれていたから、
「自分は一人じゃない」と思いながら戦うことができた。
だけど妊活は違う。
周りの友達は3ヶ月もあれば妊娠できる。
先生に「妊娠しづらい」と言われた友人も、6ヶ月で結果を出していた。
そんな中、私は妊活3年目。
視界の悪い霧の中、一人で走り続けなければならない。
妊活は続ければ続けるほど孤独な戦いになっていた。
ネットの情報や医師の指示を真面目にこなしても、
いつまで経っても結果が出ない。
社会人歴5年で培ったPDCAの回し方は、妊活では通用しないらしい。
自分の体なのか、
神様なのか、
どこに怒りを向ければいいのかわからなくなっている。
それに妊活中は、想像以上に神経をすり減らしながら生きている。
サプリを飲み忘れない。
基礎体温を測り続ける。
排卵日を把握する。
タイミングを複数回とる。
夫に協力してもらえるよう配慮する。
お酒やカフェインを避ける。
生ものを避ける。
風邪をひかないよう体調を管理する。
ここに書いたのは本当にごく一部だ。
例えば、「サプリを飲み忘れない」というだけでも、
どんなサプリがいいか調べ、
在庫がなくならないように注意して、
毎日アラームをかけたり、
お薬カレンダーを使ったりして、
飲み忘れないように気をつけている。
「サプリを飲み忘れない」と
たった一言で片付けられてしまうけれど、
そこには膨大な時間と労力をつぎ込んでいる。
その一つ一つの積み重ねが
毎月生理が来るたびに水の泡になるのだ。
これは経験しないとわからない辛さだと思う。
「ちゃんと気をつけないとすぐ妊娠してしまう」と学校で散々聞かされてきたし、
ニュース番組で「デキ婚」が報道されるたびに、その芸能人が揶揄されるのを見て育った。
だから妊活を始めたときは、すぐに妊娠できるだろうと思い込んでいて、
「妊活は気を遣うことが多いけれど、この戦いはすぐ終わるだろう」と楽観的だった。
だけど、一月頑張ってもダメ。
もう一月頑張ってもダメ。
「これで最後だ!」と全力を尽くしてもダメだった。
私はいつになったら、走るのをやめることができるのだろう……。
久しぶりに会う約束をした友達。
その子はまだ結婚していない。
だから、いつものように男の愚痴で盛り上がる予定だった。
私とはライフステージが違うけれど、
妊活に支配されている私にはありがたい存在だった。
いつものカフェで待ち合わせして、
私を見つけてすぐに「報告したいことがあります!」と満面の笑み。
結婚の報告なのかな?と思った矢先、
「実は妊娠したんだよね」と言われた。
テレビで見ていた「デキ婚」が目の前で起こっている。
本当に実在したんだと信じられなかった。
だって、妊活3年目の私がいる世界とはあまりにもかけ離れていていたから。
その子の話を根掘り葉掘り聞きすぎて
「もう話すことないよ~」と言われる私が、
その時は「おめでとう」の一言を絞り出すだけで精一杯だった。
こんな調子でもう3年も走り続けてきた。
いつ終わるか分からない。
それでも、頑張り続けるしかないのだ。
だって、今やめたら、これまで頑張ってきた自分に申し訳ないから。
お金も、気力も、体力も、正直どこまで持つか分からない。
それでも、がむしゃらに走るしかないのだ。
私は、ゴールが見えない霧の中を走っている。
寒く、孤独な戦いが続いている。
以上、みにぼぼでした🙈
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